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2019年4月16日火曜日

【スパロボT】スーパーロボット大戦T クリア後の感想その③

サムネ用のロゴです。
part3は特殊台詞やオリジナルキャラクター、ストーリー全体についてです。





戦闘デモの特殊台詞について
「光」を名指しで喋ってくれるキャラクターはこんなに居ます。
ヴァンと因縁のあるオリジナル7やカギ爪の男とも、各々でアツい台詞が飛び交います。

前の投稿で戦闘中の台詞について触れたので少しだけ。個人的にスパロボの醍醐味と言えば特定の敵ユニットと戦闘する前に発生する特殊台詞であり、近年の作品は殆どの敵勢力やボスに対して個別の台詞が、ストーリー上密接な関係にある味方同士には援護台詞が存在しています。当然これらはゲームの為に収録された原作キャスト陣による新録台詞です。キャラクター同士の様子を想像する楽しみが生まれる大きな要素でもあり、スパロボが戦略の「シミュレーション」だけでなく想像の「シミュレーション」のゲームである所以だと考えています。異なる作品間で固有名詞を言い合うだけでも権利的な問題が発生しそうなのにバンバン喋りまくるスパロボ、長年培ってきたシリーズの信頼がそれを可能にしているのかもしれませんね。


オリジナルキャラクター
「サラリーマンこそ我が人生」と言わんばかりの男、サイゾウ。
どんな企画や業務に対しても本人は至って真面目です。

過去自身の性格故に社内でも孤立していた中、皆で協力していくサラリーマンの生き方を教わったサイゾウ。業務にただ真っ直ぐ命懸けである彼の生き様は、サラリーマンであることに「誇り」を持っているからでした。時たま見せるどこかズレた感覚に笑わされながらも力強くVTXユニオンの面々を引っ張っていく様子はとても痛快であったと思います。

物語中盤で自身を打ち明けたこともあり、サギリとラミィとのやりとりは
とにかく微笑ましい限り。最近ではファンアートもチラホラ見かけます。

そんなラミィ達から見てある種の「憧れる」人物像だったサイゾウに対して、天才的な技術とマイペースな性格の裏で、望まなかった配属先への戸惑いや自身の力不足に対する躊躇いと一人の人間として多くの悩みを持ちながらも戦っていたサギリはより「共感」出来る主人公と言っていいでしょう。自分はサイゾウ→サギリの順でプレイしましたが、今作はサギリに軍配が上がりました。

主人公が正義の(?)企業マンであるならば、敵は傭兵企業のUND。銀河規模の戦いと社会人を結びつけるという今作で中心の90年代作品で育った20~30代の社会人スパロボユーザーを狙い撃ちした今作ならではの設定でした。所々でターゲットのユーザーが共感出来るネタもさることながら、シリーズ内での敵組織の差別化にも一役買っていたので後にも先にも新鮮に遊べると思います。サラリーマンは業務に関わった人の夢を背負うという側面もあり、もはや狂気の沙汰とも言える独善的なラスボスとは良い対比となっていました。




世界観や全体の印象

一風変わった平行世界ギミックを用いたV、オリジナルの異世界に集結させたXに続く「スタンダードなスパロボ」と公言された今作は、同一世界線上に殆どの参戦作品を存在させるものとなりました。先に述べたように今作は90年代の作品に偏っている等スパロボ「戻り」のユーザーも期待していることも一つの要因でしょう。異世界であるセフィーロ及びバイストン・ウェルも世界の本質に関わる設定を持ち、遠い銀河のアストラギウスも太陽系との接点やオリジナル組織の出処と絡み合ったりと「他所の世界」と呼ぶにはあまりにも近い距離に置かれています。同じ開発部署から僅か一年未満という単スパンでリリースされたこともあり「新規参戦作品でありながらも原作再現を重視しない」という近年の特色も表れていますが、シチュエーションそのものを他作品の装置やエピソードに置き換えることでコストの軽減とクロスオーバーを両立する「原作魔改造」とも言える工夫が多く見られました。過去作で原作再現を終えた真(チェンジ!!)ゲッターロボや劇場版ナデシコ等の作品には新鮮味が増したのもあり、これらは特に良い方向に働いたと思います。かといって個々のキャラクターの性格や言動が大きく改変されるということはなく、従来通り安心して会話シーンも楽しめます。

決戦の前に命をも擲つ覚悟の主人公とラミィ、
「ヒーローのように格好良くはないが私達は私達、組織の夢と個人の幸せを尊重して欲しい」
と待ったをかけるアマサキが印象的でした。

その影響で、前記事でも少し触れたように原作で印象に残る自軍キャラクターの死(と思えるもの)の描写を直接表現しない措置が取られ、各々どこか希望が残っているような終わりを迎えました(ゲーム本編中に命を散らした人物がいなかった訳ではないですが)。ここは自分が気になったところで、原作とはまた違った運命を辿ることもスパロボの醍醐味と見るか、重要なエピソードは忠実に再現されてこそキャラクターが成立していると見るかで評価が割れそうなところではあります。しかしあえて言うならば、今作のキャラクターの多くは決着の先の未来を見据えており、困難を打破し新たな黄金の時代のはじまりを皆で迎えることこそ全体のコンセプトとしては相応しかったのではないかと思います。


最後はシステム周りと総まとめです。短めを予定してますが最後まで読んで頂ければと思います。

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