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2019年4月9日火曜日

【スパロボT】スーパーロボット大戦T クリア後の感想その②

サムネ用のロゴです。
参戦作品についてpart2です。




わが青春のアルカディア 無限軌道SSX
賞金稼ぎであるスパイクに銃口を向けられ、重力サーベルを構えるハーロック。
銃の腕だけでなく、身のこなしも常人のそれを遥かに上回ります。

原作では地球を占領下においた侵略者イルミダスが存在していましたが、スパロボTではその設定はオミットされ、本編での実態や目的が有耶無耶で終わってしまったイルミダスという敵の役割は腐敗した地球連邦軍や、本作オリジナルの組織であるUNDが引き受けることとなりました。原作ではエメラルダスを救うために宇宙病を患い、死してアルカディア号と一心同体となったトチローは本作では宇宙放射線病に侵されながらも最後まで戦い抜くこととなり、エンディングではディーヴァの精神移植の技術を応用して自身の存在を繋ぎ止めることを決心します。他には聖ワルキューレの火がザ・パワーであったりと、原作再現の多くを他作品の設定・展開を組み込んでいましたが全体としては綺麗にまとまっていました。

イルミダスの存在自体は実はDLCシナリオで言及されてたりします。
自分も危うく見落とすところでした。

そんな中で引き立っていた…というよりも、制作陣がスパロボで表現したかったのはキャプテンハーロックというキャラクターであると見ました(「キャプテンハーロックを参戦させようという話になり、どの作品名義で出すかを揉めた」という項がインタビューであったので)。外宇宙進出を頓挫する大きなキッカケとなった宇宙怪獣の存在を知る数少ない人物であり、何よりも自由を愛する彼は地球と宇宙を覆う闇に反旗を翻します。彼の精神そのものが黄昏の時代に立ち向かう力であるので、T3の実質的リーダーと言っても過言ではないでしょう。作戦中や戦闘前に部隊の総意をまとめる機会も多くキャプテンとして非常に格好良く決まってます。ロンド・ベル以上に非正規の独立部隊であるが故に劇場版ナデシコ序盤のアキトの視点に立てるといったシチュエーションにも活かされていました。アルカディア号のインチキ性能で劇中さながらの大暴れ、正に黄金の時代最後にして最強の宇宙戦艦です。


劇場版 マジンガーZ / INFINITE
原作以上に大戦の英雄として認知されている甲児。
スパロボではよりパイロット気質ななったように見えます。

原作ではチラ見せ程度だったグレートマジンガーは1話から使用可能であり、マジンガーZもINFINITE起動前に加入とキャラクター、ロボット共に活躍の場が大幅に増えました。鉄也は主人公組織に配属し最序盤から会話でも度々登場する上、INFINITEの起動キーとなるものの同マップで無事解放され合体攻撃が追加と大活躍。かつての戦いの後の空白が黄昏の時代であることや、地球・コロニー間の戦争の加速もDr.ヘルの「興味が尽きた」ことや甲児やリサが人類へ可能性を示唆することの説得力の裏付けとなり盛り上がるラストになったと思います。多次元干渉の影響でINFINITEこと魔神(マジン)と、セフィーロの魔神(マシン)とで設定レベルのクロスオーバーが行われていたのも見逃せません。

歴戦の勇士として威厳あるアムロや竜馬も思わず破顔するといった
正に「胸熱」なシチュエーション。「フィン・ファンネル!」の誕生秘話も?

予てから期待されていた今作で同年代であるINFINITE甲児、CCAアムロ、チェンゲ竜馬の共演は予想を遥かに上回る濃密っぷりで、会話の端々で若き日の三人の熱い共闘が交わされていた様子が読み取れます。スパロボユーザー層の中心がゲーム内のそれと同程度の歳を重ねてきたこともあり非常に感慨深いものがあるでしょう。ゲームストーリー展開的にも便利な設定を数多く持つマジンガーINFINITE、劇場公開から1年と待たず異例のスピード参戦を果たしたのも納得の一幕と言えますね。


魔法騎士レイアース
三人のマジックナイトは二度目の分岐ルートとやや遅れての登場。
本作のセフィーロの設定は黄昏の時代と密接に関わっていきます。

異世界セフィーロを舞台にしたレイアース、本作では光、海、風の三人と自軍を巻き込んでセフィーロに降り立ち、三体の魔神を解放してからは主に地上世界へ戦いの舞台を移します。第二部で登場となるオートザムの勢力は神官ザガートまでの道のりでセフィーロ帰還までは停戦を結びなんと自軍入り。エメロード姫とセフィーロの真相を知った後でもその力は失うことはなく、世界が自分達を必要としている意味を知る為にT3と共に戦い続けます。地上世界の混沌やバイストン・ウェルのショット・ウェポンの思惑が重なり地上とセフィーロの境界が薄れたことで、本来セフィーロでしか行使出来ない魔法も地上世界で使えるようになりました。

導師クレフやセフィーロの面々も一応の登場。
本編とは展開が異なり、プレセアが健在であるといったIFも生まれています。

道筋や世界設定には説明が入るものの、光達の旅の大部分はT3での戦いに置き換えられているので、プレイヤーの進行状況ではセフィーロに殆ど立ち寄らないケースも発生します。原作ではセフィーロ侵攻を企てる他国としてオートザムの他にファーレン、チゼータが存在していましたがそれらはオミットされ、第二部の「異世界大戦」というコンセプトはスパロボというゲームそのものに落とし込む形で表現されます。ストーリー進行上組み込みの難しさやそれぞれの戦いでは光達の魔神以外にロボット的要素が少ない等、理由は幾らか想像が付きますが中々思い切った構成と言えます。

「聖戦士」と「魔法騎士」として、その力の意味を知る為にも戦うシオンと光。
光の真っ直ぐな心に、シオンも次第に心を開いていきます。

概ね前予想通り、OVAダンバインのバイストン・ウェルは近しい存在として置かれ、神官ザガートの差し向けた黒騎士ラバーン率いるオーラバトラー隊が敵として立ちはかだります。そこに助けに来たのはサーバインを駆るシオン・ザバと、オーラロードを拓き700年前から現れたショウ・ザマ。久々の本格参戦となり、往年のショウとはまた違った「未熟な戦士」として描かれるシオンとは特に絡みが多く、互いに影響しあいながらも本当の救世主として成長していきます。

使命、後悔、そして恋と、人として多くの悩みや不安を抱えながらも
それを受け入れて乗り越えていくのが光の魅力なのだと再認識させられました。

どんな時でも明るさと希望を絶やさない光の姿は、誰かを元気付けたり勇気を与えたりと様々なキャラクターの混成部隊であるT3の中でも特に際立っていました。これはもう何よりも見ていて嬉しかったです。ザガートとエメロード姫の真相を知り、敵であるイーグルや想い人となるランティスと出会い、自分の影であるノヴァと戦い…と、光を光たらしめる重要なエピソードの殆どが本筋の中でしっかり触れられているのも大きいですが、本作の舞台が退廃や諦めといったマイナスの雰囲気が漂う世界観であったのもより一層引き立てる要因となったと思います。

聖戦士ダンバイン×魔法騎士レイアース、個人的スパロボの
ヒーロー像、ヒロイン像の二作品なので、特殊台詞が見つかる度に思わず唸りました。

初参戦や初収録の作品にはどれも当てはまるのですが、マジックナイトの三人の戦闘台詞は特にいろいろ探しました。原作の台詞は勿論、海はたまにどこかツッコミを入れたような言い回しだったり、風は落ち着いた分析やチクリと痛い所と突いたり、一言一句にもキャラクターの特徴が表れていて周回中にもいい塩梅でした。そして何より、ダンバイン・レイアース間で相互の名指し台詞がバッチリ収録されていたことは本当に感謝の極みです。とまあこれくらいで、他作品も含めた台詞周りのレビューは後の記事へ回していきます。




と、参戦作品のレビューについては以上となります。次はオリジナルキャラクターやストーリー全体、面白かった特殊台詞なんかにも触れようと思います。

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