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演出やシステム
前作Xの流れを汲んだ特殊な立ち絵や、携帯機スパロボの因子を受け継いだ 場面再現の一枚絵と、戦闘デモ以外の演出も光る今作です。 |
今回の参戦作品の多くで生身の戦闘に長けているキャラクターが多いことから、前情報から期待されていた特殊な立ち絵は非常に多く、原作ファンには嬉しく未見のユーザーにもキャラクター像が掴みやすいとストーリーを読み進める上で非常に機能したものだと思います。通常の顔グラフィックやバストアップ絵の原作再現度には若干ムラがあることは否めませんが、特殊な一枚絵に関してはどれも絵柄が安定しているのも◎。個人的にはこれらを用いて全員が一堂に会し戦うようなシチュエーションがなかったことが少し残念ではありました。
中断メッセージや原作ムービー等も後から選んで見ることが可能に。 図鑑や辞典といった従来のライブラリも抜かりなく合間に眺めるのもいいでしょう。 |
VやXと続き原作から直接抽出したムービーも健在でした。全体数の少なさが気になるところでしたが、これらは映像部分はそのままであるが音声の編集は全てスパロボ制作側が行っているものなのでかなりの労力を要されるものだと推測出来るので致し方ないところではあります。
度々話題に上がる戦闘アニメーションに関しての評価ですが、一部の最強武装はもはや頭打ちと言っても良い程の凄まじいクオリティ、その横で脇のユニット達の武装は減少の傾向にあると、Xに続いて単スパンで開発されたものでありやはり量より質を重視している印象を受けました。今回は楽園追放、ビバップ、アルカディアと新規参戦組の作業量が少なめだったのも幸いし、Gガンダムやガオガイガーといった開発陣からも作業量が心配される程の作品の両立が叶ったものだと思われます。制作事情も加味しての意見ですが個人的に今回は充分楽しめるクオリティーでした。
自分は限定版収録の原曲と自前のサウンドファイルで遊ぶのが定例となっていたので気が付きませんでしたが、通常版のBGM数が減少傾向にあるのが気になる点として挙げられているようです。今回はカスタムサウンドトラック機能に対応していないニンテンドースイッチでも発売したこともあり、今後同ハードで何かしら新作がリリースされるのであれば無視出来ない事案かもしれません。
今作を二週終えてのクリアデータです。 エースはスパイクに続いて主人公、ルリとMAP兵器持ちが並びました。 |
ゲームシステムについて…V、Xと続く従来の強化パーツ売買やパイロットポイントを統合したTacポイントシステムは最初から全てのパイロットアビリティが生産可能とさらに便利になりました。Xの記事で書いたように、あらゆるユニットの戦果を好きな要素に割り振れるTacPシステムはお気に入りの作品を重視するスパロボの主流なプレイングと非常にマッチしています。部隊全体を強化するサイドプランが若干弱体化した等、細かい差異はありますが現状非の打ち所のないシステムなので、単騎制2Dスパロボでは今後も継続して採用していって欲しいです。
今作初採用の戦闘に参加しないキャラクターの支援行動であるサポートコマンドは、キャラクターが増えるだけでなくストーリー進行に合わせて強化が施されたりと中々面白いものでした。1マップ上だけでなくゲーム進行に関して有用なスキルがあったり、終盤一部のコマンドが強力過ぎるのもあったり、通常の精神コマンドに対して使用回数が限られているのもありどうしても固定化されてしまうのがネックでしょうか。マップ上好きなユニットに割り振れる仕様なのもありバランスの調整が難しいでしょうが、非戦闘員の貴重な活躍の場であるので今後の動向に目が離せません。
総評
多数の作品を同一世界上に集結させ、退廃と諦めが支配する「黄昏の時代」を舞台に、「自由」や「自身への決着」、そして「未来への希望」で纏められたストーリーは見事な出来栄えでした。短い製作期間という制約もあり原作再現の全てが大掛かりとは言い難いかもしれませんが、「異なる作品世界の融合」というスパロボの根幹にある面白さは失っていないのは流石でした。そして今回で、平行して開発されていたであろうV、Xと続いた単発作品に一応の区切りがついたように見えます。新作アプリのDD、2021年のアニバーサリーイヤーも控えたスパロボですが、果たして今後どんなタイトルや作品との出会いが待っているのかとても楽しみです。
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